あなた本意の家づくり

釧路の設計事務所、一級建築士事務所 設計処櫻のブログ

引渡し書類は無くさないで!

一昨日、1本の電話がありました。

16年前に工務店からの依頼で設計監理をした住宅の施主からでした。

現在、増築を考えて(やって)いて、出来上がった建物と持っている図面の形状が異なっているので、形状を変更した書類が欲しい、とのこと。

 

16年前…最初は記憶にも無く…^^;

直接契約したお客様は記憶に残っているんですけどね。

資料を探し…探し…ハードディスクの中にデータを見つけました。

 

でも、確認申請の副本、確認済証、(完了)検査済証の複写がありません。

当時は紙媒体(コピー)したものを保管するようにしていたのですが…流石に16年前ともなると残っていませんでした。

 

建築設計事務所が保管しなければならない書類は平成19年6月20日の法改正により15年間となっていて、その内容は「設計図書」と「工事監理報告書」

設計図書は、配置図、各階平面図、2面以上の立面図、2面以上の断面図、基礎伏図、各階床伏図、小屋伏図、構造詳細図、構造計算書となっています。

櫻ではこれら全てを、PDFやCADデータで保管しています。

 

保管義務の図書の中に、副本や済証は保管義務の書類には含まれていませんが、施工会社の倒産や施主による紛失など、何かあった時の為に、ここ10年くらいは、それら全てをPDFデータにして保管するようにしていますが、施工会社からの依頼の建物の場合、こちらで保管するタイミングが難しかったりしますので、複写が無い場合も有ります。

 

なので、引き渡し時に渡される図書「引渡書、確認申請書副本、確認済証、完了済証、保証書、瑕疵担保保険証書など」は、その建物が建っている間又は手放すまでは大切に保管してください。

ローンの借り換え時、増改築時や売買時に、これらが揃っていた方がスムーズに進められます。無くても進められますが、お金や時間がかかる可能性があります。

もし、紛失した場合、工事をする際には依頼先の建築士に、各種手続きの際には、施工会社か設計した建築士へお問い合わせください。

例:確認済証と検査済証

おまけ

しかし、今回電話があった住宅。もう一つ問題がありました。

確認申請が下りてから、施主の希望で屋根形状を少し変えていたのです。

当時、確認申請を出していた行政庁に相談をしたところ「最高の高さが低くなっているだけなので、計画変更では無く軽微な変更で完了検査申し込みをしてください」ということになった経緯がありました。(図面を見ながら記憶をたどって思い出すという…)

そのために作った図面と申請書が残っていて、それを元に完了検査を受けて完了済証が出されています。

 

ただ…完了検査申請書は、1部を行政庁に提出するだけで、こちらには押印した書類は戻されません。

なので、最終的な図面が公的な証明にならない可能性があることに気付きました。

もちろん当時、施工会社には図面は渡しているのですが…ようするに、行政庁の押印がある図面が残っていないということです。

 

同じ行政庁に申請を出していたら、もしかすると事情をくんで考慮してくれたかもしれないけれど、違う民間検査機関に増築の確認申請を出したとしたら、公的証明を求められるかもしれません。そうすると、ちょっと厄介です。

 

…でも、増築の確認申請を出しているとしたら、どこかの建築士が関与しているハズなので…解決方法は分かるのでは?と思ったりしています。

 

コロナ禍で図面や申請書への設計者押印も省略されるようになりました。

なので、証明となるとなかなか難しいところもありますが…できるだけ、後で面倒なことにならないよう、日々の仕事をしていきたいと思います。

 

なので、引き渡し時の図書はしっかり保管!もし、渡されていなかったら、きちんと催促して入手保管をお願いしますね。

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