あなた本意の家づくり

釧路の設計事務所、一級建築士事務所 設計処櫻のブログ

Uターンで見えるもの

今週のお題「好きな街」

久々にお題に乗っかります。

釧路に生まれて20歳で東京へ。

時代はバブル。

美味しい料理を食べ、オシャレなところへ行き

仕事も勤め先の事務所を移る毎に収入もUP。

 

そして、バブルは崩壊して、ボーナスが出なかったりも

あったけれど、それでも都会はそれなりに楽しかった。

 

そんな良い思いも悪い出来事も経験した11年間が過ぎ

31歳で釧路にUターンしてきました。

 

東京へ出たときには「何もない故郷」くらいにしか思っていなかった釧路。

それでも帰省すると、釧路もそれなりに道路や宅地の開発が進んでいたりで

数年帰ってこないと浦島太郎になったような気分を味わったりしました(笑)

 

そんな釧路ですけど、Uターンしてきてみると見え方が少し違います。

 

昔はどんより見えていた風景や人々の服装もスッキリと明るく見える。

オシャレで美味しい料理が無いと思っていた食事も、良い素材が多いからこそ

あまり手を加えなくても十分に美味しいからだと分かった。

 

そして、釧路は意外と人が良い。

漁師町、炭鉱の町だからガサツな人が今でも多いのだけれど…

お店の接客態度がイマイチではあるのだけれど…

親しくなるキッカケさえあれば、なかなか温かいお付き合いができる。

まぁ、都会での生活を体験したからこそ感じることかもしれないけれど。

 

そして何よりも、今、この釧路をもっと良い街にしていこうと色々と

頑張って活動している人々が多いことも素敵なこと。

色んな方向から色んな人や団体が「できること」をやっている。

もう少し纏まってもいいかも?と感じることはあるけれど

それぞれの方向性を大切にやっているので仕方がない。

 

まちづくりを考えるときに、観光の観点から「自然」を前面に出すことが多く

観光に来た人、長期滞在の人、移住を考えている人に対するアピールに力を

入れることを軸に考えてきたように感じていました。

 

とある、まちづくりについてのワークショップに参加した時

釧路以外に住む方から「釧路はそこそこ都会なところも魅力」

という意見がありました。

 

目からウロコでした。

 

釧路はデパートも無く、街の中心である北大通は閑散としています。

でも、ある程度インフラは整備されているし、医療施設も大きな総合病院が

数か所あり、郊外型の大型店舗も全国的なチェーン飲食店もそこそこある

周辺町村を含むと20万人の規模ですから、ホント「そこそこの都会」

 

実は、そんな「そこそこの都会」は、そこに住んでいる人間にとっても

心地よいものなんだと改めて気づかされたのです。

そして、地元の人間が住みやすい街=長期滞在や移住される人にとって

魅力的なのだと分かりました。

 

ワタシの住んでいる場所から

徒歩3分でセイコーマート、10分でセブンイレブンがあります。

車で5分も走れば卸売りスーパーが、10分でイオンがあり

15分くらいで海も山も公園も、スーパーも銀行も役所も病院も保健所もあります。

30分も走れば、温泉や国定公園、国立公園、動物園にも行けます。

 

釣りをする人にも魅力的な場所のようで、海釣りも川や湖での釣りも

楽しめるらしく、こちらの建築関係の職人さんにも釣り好きは多くて

作業車の中に塩ビ管で作った竿ホルダーが積まれているのをよく見ます(笑)

 

そこそこの都会だから難しい部分もあります。

まちづくり手法は、どこか都会の二番煎じのように感じてしまうことも多いし

イマイチ、山の中という雰囲気も無く…海もリゾートではない。

漁業も不振の中、炭鉱も無くなり、製紙工場も撤退して基幹産業が危ういし

仕事も少なく、若者の流出が止められなく、人口も減少が著しい…

そんな、どこの地方都市も抱えている多数の悩みが多いのも事実。

 

それでも、意外と…写真の中の北大通りは綺麗だし、海に沈む夕日も素敵。

美味しい食事とお酒を楽しんだあとに見る港の漁船の灯りはワクワクするし

天気の良い朝、庭でさえずる野鳥の声に癒されます。

秋の漁港


2017年4月1日 珍しく流氷が接岸した夕暮れ

 

雄大な自然が近くにある「そこそこの都会」が、ワタシが住んでいる場所。

そして、これからも、自分のできることをやり続けながら

この街にワタシは住み続けたいと思っています。

 

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