さて…引き渡しや図面作成でバタバタな日々が続いているワタシですが…そんな中で、いつも思うことが有ります。
何か不具合やミスが発生した場合によく聞く「それは〇〇の仕事なので…」というイイワケ。本当によく聞きます。
どんな仕事でも「分業制」が多い世の中ですから、それをうまくまとめることができないとミスに繋がったり間違いに気づかなかったりします。
それは建築工事現場でも言えることです。
工事現場には様々な職人が出入りします。杭、基礎、左官、大工、外壁貼(塗)、板金、外部給排水設備、内部設備、ガス設備、電気設備、換気、内装(クロスやCF)、美装、外構…などなど、各工事に関して数名の人間が携わります。
住宅の工事の場合、工期が長くないので3~5か月の間に多くの仕事が進んでいきます。
そういう工事をまとめるのが現場監督(帳場とも言います)なのですが、住宅業界の場合、監督1人で何棟かの現場を担当するのが一般的。また、小さな工務店によっては、この監督を社長がこなしていたり、大工がまとめていることも多いです。
短期間で多くの職人が出入りし出来上がっていく工事。1日中、現場監督が見ているわけでは無いので、後から間違いに気付くことになってしまいます。大工ならいつも見ているのでは?と思うかもしれませんが、自分の仕事をしながらですから、聞かれたことには対応できても、随時全体を把握することはとても難しいことです。
そんな現場で間違いの原因として、一番多いのは確認不足と思い込み。
例えば、最初の図面と施工時の図面に変更箇所がある場合、その変更がうまく伝わっていなかったり、手元にある図面通りだから間違いないと思い込んで施工することで間違いが生じます。職人が多ければ多いほど、この伝達は難しくなり確認もしづらくなります。
そしてよく耳にするのが「それは〇〇の仕事だから(自分は気が付かなかった)」という言葉。だから仕方ない、という言い訳。
でも、少しだけ気にして、ちょっとおかしいと思ったことを、一度だけでも確認することで回避できる間違いがとても多くあると思うのです。
間違いは誰にでも起こりえることだし、気付いたらもちろん修正するのですけれど…それにかかる無駄な経費や労力、日数を考えると間違いは無いに越したことはない。
何よりも、施主に報告したときに嫌な思いをさせたり、心配させたりすることは、できるだけ無い方が良いわけです。
※櫻は施主との直接契約で工事監理を請けている場合、施主への報告の義務があるため殆どの内容を説明しますが、全ての会社で同じように報告されているとは限りません。
この業界で30年以上仕事をしてきましたけど、それでもゼロにはできないもどかしさ…自分のうっかりも含めて…難しいですけど頑張らなくちゃですね。
この少し気を付けて確認する…は、どんなことにも言えること。
いつだったか、司法書士に「登記関係の見積」をお願いしていたら銀行に提出されていた見積書の中に「表示登記」が抜けていたことが発覚。司法書士に確認したところ「それは土地家屋調査士の仕事なので」と言われたときの何とも言えない嫌な感じ…。そんなことは知っているけれど、お客さまである施主は「登記」といえば「表示登記も保存登記も抵当権設定も併せた…必要なすべての登記」と思うはず。プロの目線では無く、もう少し相手の立場に立って考えて欲しいなぁと思った出来事でした。
プロだから、慣れてしまっているからこそ思い込みで見過ごしてしまうことも多いですから、これも気を付けなくちゃですね^^;
こう考えると…ワタシの仕事ってコーディネーターも含んだサービス業なんだなぁ~ってつくづく思う、今日この頃なのでした。
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