こんにちは~^^
朝からなんとなくスッキリしない今日の釧路。
場所によっては濃霧注意報がでてるのかな?
まぁ、霧の街釧路ですから、霧も楽しまないと…ですね ^^;
さて、私のお気に入りのTV番組の中に、日曜、朝7時からの
「僕らの時代」という番組が有ります(ちょっと渋い? 笑)
この番組、何てことは無い、色々な分野で、友達とか繋がりのある
3人が、自由に話をする番組なんですけどね。
その中で、良く話題に出るのが、やはり自分を高めることだったり
若手(後継者)を育てることだったりするのです。
自分を高めることも難しいことなのですけど…
人や技術を育成することは非常に難しいですよね。
まぁ、分野によって色々と違いが有ったりするとは思うのですが。
私事ですが…先日、40代前半の大工さんと話す機会が有りました。
彼は、20歳から数年間、師匠の元で修行をした経験を持っています。
まぁ、師匠といっても、当時50代の現役の大工さんですね。
怒られ、叩かれながら大工としての技術を教えてもらい盗んできた。
その彼が「今は、若い世代を育てるという余裕が無い」と言います。
昔は、工務店(親方)などが、弟子を含め数人の大工を給料を払って
雇い入れていることが多かったと思います。
北海道の場合は、季節雇用というところが多かったかもしれませんが
それでも、雇用保険を払い、冬季間以外は雇用していた状態なので
その中で、技術を教えたり盗んだり…という師弟関係も有りました。
まぁ、若い人は給料こそ安かったでしょうけれど育ったのです。
それと比べ今は、大工は殆んどの場合「請負」という契約を元に
仕事をこなしているというのが現状です。
1棟の建物を、○万円/坪(㎡)という請負単価で決めるのですが
この請負単価が…どんどん安くなってしまっています。
景気が悪い=仕事が少ない=単価が下がる=ギリギリで請負う
ギリギリで請負うから、若い人を教えながら使う余裕が無い。
酷い例では、1棟の住宅を1ヶ月で仕上げないと赤字になる…
ということも有るのだとか。
仮に、若い人を雇ったとしても、時間的に教える余裕が無いため
今できることしかやらせない…そうすると技術は進歩していかない。
そうすると…仕事に対する意識レベルも落ちていく…というような
悪循環の末、将来的には「大工」という職業自体が危ぶまれてしまう。
確かに、職業訓練校からの斡旋で雇用促進もしています。
のむだけの余裕が無い大工(工務店)が多いのかもしれません。
話を聞いた大工は
「墨付けから切り込み、全てができる大工は自分達が最後の世代かもしれない」
…とも言います。
全て工場でのプレカットを済ませた材料を釘と金物でバタバタ建てる。
それが良いものか悪いものかの判断もできず「こういうもの」として。
法律だけを厳しくしても、安全なものとは限らない。
私は、そう思います。
後継者の育成、技術の継承と進歩、意識レベルの向上…
そういうことを考えて、価格も含めた検証をしていかないと
日本の建築は間違った道に進んでしまうかもしれませんね。