あなた本意の家づくり

釧路の設計事務所、一級建築士事務所 設計処櫻のブログ

アンコンシャス・バイアス

子どもの頃。

「お姉ちゃんなんだから弟の世話をしなさい」

「女の子らしくしなさい」

若い頃。

「女のくせに」「女だから」

 

…と言われ続けたのはワタシだけではないと思います。

これは、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)によるものなのでしょう。

 

女性は女性らしく、男性は男性らしく。

少なくともワタシの世代では、そう言われたし、今でも「男の子なんだから泣かない!」と無意識に言っているお母さんも多いのではないでしょうか。

 

住宅の設計をしていると、よく言われたのが

「間取りに女性ならではの細やかな気配りがありますよね~」という言葉。

多分、家事動線や子育て動線についてのお誉めの言葉なのだと思います。

 

これは、アンコンシャス・バイアス。

 

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ごめんなさい。

ワタシ、家事はできるけれど得意じゃないし、今はほとんどしていません^^;

子供が居らず育児をしていないので経験を生かしているわけではありません。

気配りされた間取りは、知識と想像(創造)力で要望に応えた結果です。

なので、男性でも女性でも気配りはできるし要望に応えられるはずなのですが、それは個々の力量ですから、あえて反論はせず、そういうことにしておきます(笑)

 

無意識の偏見。調査としては以下の内容が多かったようです。

・ 男が仕事をして家計を支える・・・✖

・ 家事や育児は女性がやる  ・・・✖

・ 食事やデートでは男性がお金を出す・・・△

あ、✖は、うちでは違うというマークです(笑)

 

生きていく上で、その人間の「特性」を生かしていければ良いはずなのに「こうあるべき」に縛られて、とても生きづらくなっているんですよね。

 

ワタシが設計事務所を開設してしばらくした頃、同業の男性から言われた

「(旦那の稼ぎがあるから)趣味のように仕事ができて良いよな~」という言葉。

これは紛れもないアンコンシャス・バイアス。

そう言った男性の奥さんはしっかり仕事をしていたので、本人が趣味的に仕事をしているのだろうか?と思ったけれど、そうではない様子なので…同じ状況であっても、立場や見る方向が違うと、無意識に「その価値」が変わってしまうのかもしれません。

 

2~3歳の子供たちを見ていると、見るからに…恥ずかしいほどに「女子」だったり、呆れるくらい「男子」だったりする気がします。

もちろん、女の子っぽい男の子もいるし、男の子っぽい女の子もいる。

でも、それは、積極的とか内気とか、人懐っこいとか人見知りとか、そういう個性と何ら変わりがないように、ワタシは感じるのです。

それが、アンコンシャス・バイアスの中で成長していく過程で「こうあるべき」を刷り込まれてしまい、それぞれが不安や不満を持ちながら暮らすことになっているような気がします。

 

大切なのは「個人」「個性」を尊重すること。

そして、皆がそれぞれ思いやりをもって接すること。

 

男子女子で区別をすることや、「普通は…」という言葉で括ることは、とても漠然としているのに、とても楽なのでやってしまいがち。

そういう楽な言葉や区別で片づけることを止めることが必要かもしれません。

 

まぁ…皇室やそれを取り巻く法律自体も男女区別をしていたりしている日本ですから、なかなか難しいことかもしれませんけど…。

 

最近では、家の間取りを考えるとき、育児も家事も夫婦そろって対応しやすいように考えることが増えています。

もちろん、夫婦共働きのケースが殆どなので当然のこととは思いますが、ワタシがこの仕事に就いた30数年前と比べると飛躍的に増えているという印象です。

 

時代は変わります。

今まで声を大にして意思表示をすることが難しかった生きづらい人たちも主張がしやすくなっている中、世の中も、それを受け入れる柔軟性も必要になりました。

 

新たなアイディアやより良いモノづくりにアンコンシャス・バイアスは敵です(笑)

古きよきものを大切にしながらも、誰もが生きやすい新しい時代に移行しなければならないターニングポイントが「現在」なのかもしれませんね。

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