あなた本意の家づくり

釧路の設計事務所、一級建築士事務所 設計処櫻のブログ

釧路の家づくり「なんか分んないけどモヤモヤする」と感じた時にはぜひご相談ください 。 女性建築士があなた本意の家づくりをお手伝いします。

サクラに思う~橋はかからない

今期、私がドはまりしているドラマ「同期のサクラ」

www.ntv.co.jp

なぜか毎回、観ていて涙が出る。これはまっすぐに生きることが羨ましいからか…じいちゃんの言葉に感動するからなのか…社会の普通な理不尽さに腹が立つからなのか…それとも、単に歳を重ねたからなのか(笑)

主人公の名は北野サクラ。何事にも妥協できずまっすぐに生きる、離島出身のサクラは島から本土への橋が無いことが原因で両親を亡くしたことから、そこに橋を架ける夢を叶えたいと建設会社に入社し、同期入社の4人の仲間とドラマを展開していきます。

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美咲大橋のモデル?ツインブリッジのと

一昨日の内容は、頓挫しかけていた橋の建設が現実となるのだけれど、その強度が「国の基準以内ではあるけれど」元々の設計計画よりも弱いというデータがあり、それを知ったまっすぐ正直なサクラは「住民の皆さんの命を脅かすようなものを造ることはできません」と住民説明で泣きながら頭を下げます。

これは正しいことなのだろうか?とふと現実にかえって考える。土木と建築の違いはあれど、法的基準を守ることや、コスト管理の大変さは一緒です(笑)

ドラマの中のセリフから、まずは状況を把握してみます。

  1. 橋の基礎を支える杭の深さが、当初計画よりも浅い。
  2. コンクリートの成分が当初設計よりも強度が出ない可能性が有る。
  3. 1、2は国の基準以内である(と、土木部の部長は言う)
  4. 仕様・設計の変更はコストダウン(利益の追求?)によるもの。
  5. 会社としては工事を進めるの結論がでている。
  6. 国からの補助金がでている。

うむぅ…まぁ…ドラマなので、無理(無謀?)な設定であることは否めませんが(笑)ちょっと検証してみましょう。

1、2は、設計(仕様)変更において、3の国が定める法的基準内であれば、問題はないのではないかと判断しますが…理由が4であると考えると、今までの様々な事件や事故を思い起こすと、もしかして…偽装?改ざん?錯誤?なんて疑問もあったりしますね。

ものづくりは、常にこの「コストダウン」との戦いです。

資材コスト、人件費、運送費、保険や福利厚生費用、そして税金までが値上がりし、数年前と比べると10~20%、ものによってはもっと大きなコストアップがされている建築業界もまた日々戦いまくりの状況です ^^;

そんな中で、法的基準内でのコストダウンは当然のごとく行われます。昔から建物の構造設計には「経済設計」と「安全設計」というものがあって、どちらを求めるかで、そのコストはかなりの違いがあります。今の時代は、ほぼ経済設計なのだと思いますが…そんな中でも、鉄筋1本、コンクリート1m3、柱1本、スジカイ1か所、金物1つ…などなどを「基準内の強度を保ちながら削減していく」という努力をしています。

ただ、いくら安全を考えている法的基準内であっても、設計の段階でギリギリにしてしまうと、工事で何かしらの変更や小さな不備、ミスがあるだけで強度が基準を下回るという事も考えられますから、そこをどう考えるかが難しいものです。

設計者は、設計した基準が満たされていればOKです。工事監理者は、設計者の意見を聞きながら設計図書通りに工事が進んでいるかを判断・指示するのですが、100%全てを監理することは大きな工事になればなるほど難しいものです。施工している業者が全て設計図書通りにやっているとは限りません。あくまでも「人がやっていること」ですし、悪意は無くてもミスをする場合もあります。これは、どんな工事にも言えること。

…となると、サクラの「(会社の決定に背き)橋は架からない(方向の話になる住民説明)」という判断は、社会的通念や組織的にはNGだけれど、人として正義的倫理的に極端ではあるけれど間違ってはいない。という感じでしょうか。

コスト性、デザイン性、構造的強度はいつも背中合わせ。それらを全て保つにはバランスが大事です。もちろんこれに道徳的な合法性も加わるのですが、そのお話はまた今度。 

つうかね…普通、橋の工事って公共事業じゃないのかしら?ましてや海にかかる橋だもの、いちゼネコンで終わらす話じゃないんじゃない?という突っ込みはここだけの話(笑)ドラマはドラマですからね~( *´艸`)

 

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