ヘリテージマネージャーのフォローアップ研修2日目。
まずは・・・
■釧路市立博物館

釧路出身の建築家である毛綱毅曠(もづなきこう)氏の設計。
1984年にタンチョウが羽を広げたイメージで設計、建築され
1985年に日本建築学会賞を受賞した作品です。
実はワタシ…中に入るのは初めてで…^^;
へぇ~!ほぉ~!!と拝観させて頂きました(笑)
とても複雑なカタチ故のメンテナンスの難しさもあるとのことで
汚れたガラスや剥がれたタイルを見るとちょっと悲しくなります。
■旧五十嵐邸

昭和24年に建てられた近代和風建築の民家。
現在は、五十嵐氏の仕事を愛する方が所有管理をされていて
普段は一般公開されていませんが、イベント等要望があったときに
開放されているようです。

もう…アイディアの宝庫!!というのが第一印象。
まずは玄関の灯り。
これひとつで外も中も灯りがとれるように考えられています。
今だと、断熱を考えたら悩ましいところですけれど
やってみたいなぁ~~~と思っちゃいました(笑)
そして、ポスト。
玄関引き戸の横に木製の開戸があって、そこから入れられた
郵便物や新聞は、玄関の中の棚に落ちる仕組みになっています。
今では普通になっているものですけれど、昭和24年に
これが考えられていた…ということが衝撃的ですね~。
玄関ホールの木製小窓は、台所から玄関が見えるようになって
います。昔はインターホンが有りませんでしたから、台所に
立っている女性がお客さまにいち早く気付けるような工夫ですね。
写真にはありませんけど、2階に上がる階段横の手すりには
スリッパラックも埋め込んで作られていました。
ホント、現在ある隙間収納の原点を見たような気がします。
壁や建具などの造作に使われている板は、当時最先端だった
「合板」を使用していたりします。
多分、無垢よりも高価だったのではないでしょうか…。

今の建築基準法の居室の天井高さを満たしていない空間ですけれど
背の低いワタシとしては、とても落ち着ける空間で
所有者の方の行き届いたお掃除とセンス良い飾りつけが
本当に居心地の良い空間を創り上げています。

これには、木製の氷冷蔵庫もビルトインされているんですよ!
扉には換気口として、パンチングメタルが使われていますが…
68年前に有ったのかしら?もしかすると造ったのかもですね~。
横の居間に配膳しやすいようにカウンターも作られています。

ビルトインの神棚…すでに68年前にはあったんですね~。
なんでも、大工さんが新潟県から来た方だったらしく
新潟にも、こういう造りがあるようですよ。
かつて、釧路の佳き時代にあったであろう伝統的な建築物が
都市計画などでことごとく壊されていった中
古き良き時代のモダン和風な建築が、こういうカタチで
綺麗に残っているというのは、とても嬉しいことです。
ただ、所有者の方もご高齢になりつつあり
この建物を今後、どのようなカタチで保存していくかどうかが
とても悩みどころだと言います。
今後、建築を志す多くの学生に見て感じて欲しいと思ったり…
何かしら、利用しつつ保存していくようなことができればと
漠然とですが思ったワタシでした。
さて、お昼は…東屋総本店の竹老園で蕎麦寿司を~~~♪
がっ!!!ここで思わぬ事件が…( ;´Д`)
それは、また明日…。
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