今日、あるお宅にお邪魔してお話を聴いてきました。
その方は、娘さんがうちのHPを見たことで
相談したらどうかと言われ電話をかけたとのこと。
相談内容は…3年前に新築した家が気に入らず住めない(住んでいない)
なので、どうにかしてリフォームで住めるようにならないか?というもの。
電話で話を聴いた時、うそでしょ?!って正直思ったのですけど
本日、そのお家にうかがい、話を聴いて納得しました。
建物自体は今どきの仕上げで、特別変な造りでは無いのですが
要所要所が、なんとなく不自然な繋がりだなぁ~という印象。
ゆえに、施主も、どうやって住んで良いかもわからないという感じ。
というか、住めない(住みたくない)根本の理由は、間取りも仕様も
そして設備も施主本意では無く、やりたいことは却下され続け…。
工事代金も納得していないまま、いいようにされて引き渡し。
最終的には、その方が聞いていない現金の催促も有ったり
約束していた後工事も結局は施工されなかったり・・・・・・と
精神的に「騙された感」があり、腹が立って住めなかったとのこと。
今は、娘さん一人が住んでいるのですが、それでも使いづらいと。
オール電化ですから、ローンと光熱費は毎月かかってしまいます。
古い家に住みながら、それを支払っていくのは本当に大変なことです。
私は、賃貸として貸して、家賃でローンを支払ったらどうか?
ということも視野に入れ、検討することが必要だろうとお話しました。
気に入らず住んでいないから、住めるようにリフォームするとしても
やはり数十万では済まないお金がかかってしまうでしょう。
まだまだ三十数年ローンが残っている状態で、お金をかけてこれ以上
月々の返済金額を大きくしていいのかも・・・微妙なところです。
ましてや、当初予定していた支払額よりも、最終的には2万円以上
毎月の支払額が多くなっていた・・・と言うのです。
それでも、請負契約書にも銀行の書類は不明瞭ではあるけれど
不備は見当たりませんから、済んだ事と考えるしかないでしょう。
今回。施主側の話しか聴いていない一方通行なので、全てを鵜呑みにするわけ
ではないのですけど、実は、その施工会社はアタシも知っているところなんです。
過去に1度だけ図面を描いた事もある会社で、あまり良い話は聞かないところ^^;
なので、今回の話の内容には頷ける部分が多いんです。
実際に、お話を伺いながら拝見した間取りは使いづらいものだと思いましたし
使用している内装建具や装飾も施主が望んでいない無駄に高価なものを
選んでいるのかな?という感じがしました。お金のかけ方を間違ってます。
実際に、玄関にお花を飾りたかったお母さんですが、飾る場所が有りません。
お隣に落雪による迷惑を掛けたくないとお願いしたにもかかわらず、隣地から
軒先までの離れが70cmしかないため雪が降ると気が気じゃないそうです。
その他・・・上げたらまだまだ不満は出てきます ^^;
そして、私から言わせると・・・この間取りと仕様での工事金額としては少し高い。
利益率がかなり良かったんだなぁ・・・というのが察しが付きます ^^;
家を建てるとき、こういうトラブルが良くあるとは言いませんが。
何かトラブルの要素が有ったとしても、素人だから分からない。
そうなんです。施主さんは素人だから分からなくて当然かもしれません。
でも、知らないということは、とても損をすることだと知って欲しいんです。
今年は特に、消費税の絡みで住宅を考えている方が多いかもしれません。
時間が無い中でバタバタと進めてしまうと、こういったトラブルを回避する
ことが難しくなってしまうかもしれません。本当に注意が必要だと思います。
設計事務所は、デザイン的なことではなくても、広く相談を受けられる所。
建築のプロですから、トラブルを回避する術としての利用も可能です。
どちらかというと、デザイン重視のような感じで見られますが
本来は、施主の立場に立って施工(会社)を監理し潤滑油になることが仕事です。
こういったトラブルを1軒でも少なくするためにも、もっと間口を広くして
敷居を下げて活動する必要があると考えさせられた今日の相談内容。
建物を建てるとき、リフォームするとき。